Heads Surfboards Lab

ZINGER | Katsu Kawaminami Surfbords

SURFBOARDS

  • SHAPER:川南 活

SURFER PROFILE

  • 身長183cm、体重78kg、ヘッズのさっさん。ほとんどの週末を海で過ごす。が、腕前はサーフィン歴に比例することなく、いっこうに上手くならず。あくまでも自己申告で、やっていると思われる技はアップスダウン、浅いボトムターン、チョットバック、波のトップに駆け登った際にスープに乗り上げるフローター?(本人は得意技と思っているらしい)、フロントサイドでのプルアウト(バックハンドではうまくボードが返らず)。

IMPRESSION


鎌倉:稲村ケ崎のシェーパー:サーファーの川南活さん(以後敬意を込めてKatsuさんと呼ばせていただきます)に4フィンのファンボードを作ってもらった。以前にお話ししたように、おととしサンディエゴ:ラホヤで見たボードが忘れられず、言うなれば3年越しの恋が実ったようなものだ。

シェープしてもらったKatsuさんは、ぼくらの年代のサーファーでは知らないものはいないくらいの湘南を代表するサーファーである。 しかし得意先のmenehune beach storeオーナー:宮嶋さんに紹介にあずかるまで面識はなかった。Katsuさんには、大御所サーファーにありがちな驕りや傲慢さがいっさい感じられない、まさにメローな人である。そして今までの生き様をお聞きするに従い、ぼくはKatsuさんの人柄に吸い寄せられた。若い頃から世界の波を楽しみ、南の島で20年近く住み、人生を謳歌。ぼくには出来なかったことを実践しているKatsuさんには憧憬の念に近いものがある。

本当はこの4フィン、Eaton Surfboardで欲しかった。理由は単純、ラホヤの上手なサーファーが乗っていたのがEatonだったからである。何度かカリフォルニアに行く機会があり、Eatonのショップに行くタイミングも合ったのだが、とうとう手にすることはなかった。しかしその間にEatonの現物の4フィンは何度か見ることが出来た。ボトムの深いチャンネル、4フィンの外側につく透明なサイドフィン。

しかしよく見ると、フィンの付け方がかなり雑で、本当にこれでいいの?という感じであった。最初にEatonの4フィンの印象が強く、またEatonに敬意を表し、この4フィンの事をEatonが命名したZINGERと呼ぶことにする。Eaton曰く"The Zinger is a Twin Fin Bonzer"だそうである。

このZINGERをKatsuさんにお願いした理由は、
世界の幾種類もの波を知っている
→すなわち、サーフボードも知っている
→英語が堪能である
→EatonのZINGER理論を理解してもらえる、
ということである。
ぼくはありったけの資料をコピーし、プリントアウトしたものをKatsuさんに見てもらい、シェープしてくれるかどうかを判断してもらった。

「OK!出来るよ。この理論も理解できたし、BONZERも以前削ったことあるから。」頼もしい答えに笑みがこぼれる。途中、シェープが終わった時点でのフォームを見せてもらったが、ボトムのチャンネルの入れ方は、まさに芸術である。フィンの形状もEatonの理論を基にKatsuさんとAGWの大貫さんが決めてくれた。そしてついに「明日の朝10時に出来上がるよ。」とKatsuさんの淡々とした電話の声。

次の日の11時、ついに恋人と巡り合えた。

思い通りのグッド・プロポーション!厚みも幅も思った通りであった。友人からは8フィートでは長すぎて、特性がわからないのではと言われたけれど、ふだん9'6"のロングボードを乗っている身であれば、問題なく乗り心地の違いがわかるというものである。また短すぎて浮力が足りなければ、波に乗る回数は少なくなり、サーフィンにならない。まだ乗ってはいないが、8'00"の長さは自分なりには正しいと思っている。早く乗りたい気持ちを諭すかのように「出来れば一ヶ月、まあ二週間は乗らないほうが良いかも。」とKatsuさんからのアドバイス。ボードの内部のレジンが熟成し、完全に凝固するまでの我慢である。

以前Katsuさんといつもリペアをお願いしているAGWの大貫さんと3人でサーフボードに関して話す機会があった。日本で流行るボードは、あまりに日本の波にマッチしていないのではないかというのである。カッコ良さやメディアが優先して、サーフィン本来の楽しさを引き出せていない。そして結論は、日本のアベレージな波には7〜8フィートのサーフボードが楽しめるというものであった。短すぎて浮力がなければテイクオフできる回数が少ない。長すぎて大きい浮力のロングボードであればテイクオフの回数が増えるが、そこそこのサイズの波になれば取り回しが容易でなくなる。あくまでもアベレージサーファーでの話しである。だからショートボーダー、ロングボーダー関係なく自分の体格にあった浮力のある、ミドルレンジのファンボードを一本持っていると楽しいはずである。

膝〜頭サイズまで乗りこなせて、波のフェイスをマニューバーできる楽しいサーフボード。最後にこの無理なオーダーを快く引き受けてくれたKatsuさん、Katsuさんを紹介してくれた宮嶋さん、綺麗なフィンを作ってくれた大貫さん、ジョウジ君、みなさんありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。

THE BEST SURFER OUT THERE
IS THE ONE HAVING THE MOST FUN.

Keep on Surfing.